米国はタブレットや電子ブックリーダーの普及が成人のほぼ20%に及び、電子書籍や電子雑誌の流通も普及期を迎えつつある、電子書籍の先進国です。
米国雑誌協会(MPA:The Association of Magazine Media)が、2011年11~12月に、雑誌アプリのユーザーに対する調査結果、雑誌に関するファクトブックで、現在の雑誌市場に関する詳しいデータを提供しています。
日本と米国の基本的な雑誌購読スタイルの違い等はあるものの、上記のデータを分析・考察することで、日本の今後の電子雑誌市場の行方を考える示唆や仮説が得られるのではないかと考えました。私は、これまで雑誌業界の周辺で仕事をし、電子絵本事業を推進している立場なのですが、上記のデータは個人的にも非常に参考になりました。
私見ですが、日本の雑誌市場は、編集系コンテンツの優位性を持ちながらも、過度の悲観論から業績の低迷に悩んでいる様に感じます。
私の経験及び本書で行った分析だけでは、米国の実態を語るには、まだまだ不足していることは明らかですが、日本の雑誌の新しい価値創造、雑誌市場再生に向け日々実践をしておられる方々の何らかのヒント、議論のたたき台になれば幸いです。
2012年3月8日 第1.0版 全132ページ A4横PDF
考察、提言部分が約60ページ+データ(考察、提言部分に引用されたものは重複有り)
<レポートの詳細目次>
【考察】
電子雑誌は、紙の雑誌の敵ではない
ユーザーは使いやすくポータブルな電子版に期待
2009~2010年日米に生じた雑誌広告売上業績の差とその理由①②
米国の電子雑誌の課題
電子雑誌の将来課題を解決するのは誰か
※番外編① 「電子雑誌の第一法則」
※番外編② 「電子デバイスが紙を越える日」
【提言】
雑誌出版社の3つの課題①~③
課題解決のための主要アクション仮説(出版社)
課題解決のための主要アクション仮説(業界団体、サポート事業者)
【データ1】米国電子雑誌アプリユーザー調査トピックス MPA The Mobile Magazine Reader より
1-1:利用したことのある電子雑誌ジャンル(複数回答)
1-2:1週間に電子雑誌を読む時間
1-3:紙の利用雑誌数の増減
1-4:1年前と比較した、紙とデジタルの両方で読んでいる雑誌数の変化
1-5:雑誌アプリを知るきっかけ(複数回答)
1-6:電子版を利用する理由(複数回答)
1-7:電子版利用後の行動(複数回答)
1-8:電子版をデバイス上で友人、同僚、家族と見るか
1-9:雑誌アプリのダウンロード数
1-10:最新号、バックナンバーの利用
1-11:特定の号の電子版を何回読むか
1-12:電子雑誌の広告に対する反応(読む、クリックする)
1-13:電子雑誌の購入スタイル(複数回答)
1-14:電子雑誌の選び方
1-15:電子ニューススタンドの訪問経験(複数回答)
1-16:電子ニューススタンドの店頭立ち読み時間への影響(ニューススタンド利用者、647名)
1-17:電子ニューススタンドで重視すること(複数回答)
1-18:電子雑誌のダウンロードとナビゲーションについて(※強く同意と、やや同意の合計)
1-19:電子雑誌のコンテンツについて(※強く同意と、やや同意の合計)
1-20:電子雑誌の広告について(※強く同意と、やや同意の合計)
【データ2】米国雑誌事情 MPA Magazine Media Factbook などから
2-1:単品売上と定期購読売上の比率(2010)
2-2:売上の小売チャネル別構成(2010)
2-3:公的な場所での雑誌閲覧(2008)
2-4:雑誌の持ち歩き(2010)
2-5:メディア利用の変化(2006対2010)
2-6:検索エンジン利用のきっかけとなるメディア(2010)
2-7:消費者の認知~購買プロセスで
2-8:雑誌広告が喚起する様々なアクション(2010)
2-9:雑誌ヘビーユーザーの特徴①(2010)
2-10:雑誌ヘビーユーザーの特徴②(2010)
2-11:雑誌ヘビーユーザーの特徴③(2010)
2-12:電子雑誌の魅力(2010)
2-13:電子雑誌の広告評価①(2010)
2-14:電子雑誌の広告評価②(2010)
2-15:電子雑誌の広告評価③
2-16:電子雑誌の広告評価④(2010)
2-17:今後のメディア別広告売上の予測
2-18:今後の雑誌広告売上の予測
【データ3】日本と米国の雑誌市場の比較
3-1:日米の販売売上推移(2005~2010、2005を100%とする)
3-2:日米の広告売上推移(2005~2010、2005を100%とする)
3-3:米国の販売売上推移(1990~2010)
3-4:日米の雑誌売上と構成(2010)
3-5:日米の4媒体広告売上比率(2010)
3-6:日米の基礎データ及び雑誌売上等の比較(2010)
【データ4】その他
4-1:タブレット、電子ブックリーダーの普及状況
4-2:電子雑誌のフォーマット
4-3:電子雑誌に求めるもの
4-4:広告、EC連携
4-5: 「紙」 対 「デジタル」
4-6:電子雑誌に対する不満
4-7:電子雑誌アプリの見つけ方
4-8:主要出版グループ別のリーチ(2011秋)
4-9:主要出版グループ別の読者割合(2011秋)
4-10:時間帯別タブレット、電子書籍リーダー、主なメディアの利用
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